静岡県浜松市で犬のブリーダーをしている、ペットのブリーダーワンブーの山下です。フレンチブルドッグだけでなく、ゴールデンレトリーバーも長年手がけてきました。
「大型犬は初心者には難しい」と言われますが、それは半分正解で半分間違いです。性格は非常に穏やかで扱いやすい犬種です。ですが、体の大きさゆえの責任は軽くありません。
この記事では、ゴールデンレトリーバーの基本情報から子犬の選び方をお伝えします。迎える前の準備、最初の1週間の過ごし方も、包み隠さず書きました。
ゴールデンレトリーバーとはどんな犬?基本情報
ゴールデンレトリーバーは、体高56cm前後、体重30kg前後になる大型犬です。平均寿命は11歳前後といわれています。
性格は人懐っこく、愛情深い犬種です。学習能力も高く、しつけがしやすいという特徴があります。他の犬や人に対しても友好的で、盲導犬や介助犬として活躍する個体が多いのも、この性格ゆえです。
初めて犬を飼う方にも向いている、といわれる理由もここにあります。警戒心が強すぎず、家族以外の人にも比較的フレンドリーです。ただし人懐っこいぶん、番犬向きではありません。この点は、誤解されがちなので触れておきます。
実は、ゴールデンレトリーバーには「イギリスタイプ」と「アメリカタイプ」の2種類があります。イギリスタイプはクリーム色で、ずんぐりとした体型。アメリカタイプは濃い茶色で、スタイリッシュな体型です。
見た目は違っても、性格に大きな差はありません。日本のペットショップではアメリカタイプが多く流通しています。イギリスタイプを希望する場合は、専門のブリーダーを探す必要があります。この事実は、意外と知られていません。写真だけで犬種を語られがちですが、タイプによる違いも知っておくと選びやすくなります。
歴史をたどると、19世紀半ばのスコットランドに行き着きます。ニューファンドランドとツイードウォータースパニエルという2つの犬種を掛け合わせて生まれました。
当初はフラットコーテッドレトリーバーの黄色い個体として登録されていました。それが1920年頃、独立した犬種として認められたのです。100年以上前から、人と暮らすために作られてきた犬種だといえます。
被毛にも特徴があります。ダブルコートと呼ばれる、上毛と下毛の二重構造です。抜け毛は多めで、特に換毛期は毎日のブラッシングが欠かせません。抜け毛対策を怠ると、床も服も毛だらけになります。これは覚悟しておいてください。
換毛期は春と秋の年2回。この時期は、掃除機をかける頻度も自然と増えます。アレルギーをお持ちのご家族がいる場合は、事前に医師へ相談しておいてください。
子犬を選ぶときのポイント

大型犬は一度に6頭から9頭ほど生まれます。生まれてすぐの時期に選ぶのは、正直なところ至難の業です。
はっきりとした個性が出てくるのは、もう少し成長してからです。すでに迎え先が決まっている子も、生後56日間は母犬のそばで過ごします。この期間、良いブリーダーは子犬の成長を定期的に報告してくれます。
色の濃い子が欲しいなら、耳の色を見てください。骨格がしっかりした子が欲しいなら、親犬の体格が参考になります。鼻先が黒くくっきりしている子は、顔立ちが美しく育つ傾向があるともいわれています。
性格も選ぶ対象です。可能であれば、親犬の普段の様子や性格も聞いておいてください。兄弟犬の中で一番活発な子、逆に落ち着いている子。同じ親から生まれても、性格にはかなり幅があります。
「うちの子を安心して任せられますか」。この質問に、きちんと向き合って答えてくれるブリーダーかどうか。そこを見てください。曖昧な返事しか返ってこないなら、それも一つの判断材料です。
「一番元気な子を選ぶべきですか」と聞かれることがよくあります。答えは、必ずしもそうではありません。元気すぎる子は、体力もしつけの手間もかかります。ご家族の生活スタイルに合う子を選ぶ。これが本当の意味での正解です。
小さなお子さんがいるご家庭なら、穏やかな性格の子のほうが合うこともあります。逆によく体を動かすご家庭なら、多少活発な子でも問題なく付き合っていけるはずです。
迎える前に準備しておきたいもの

子犬を迎える前に、最低限そろえておきたいものがあります。
まずは生活スペースの確保です。ケージやクレートを用意する方がほとんどです。子犬の安全のためにも、必ず準備してください。
私たちは、ドッグフードをケージの中で与えるようお願いしています。ケージ=良い場所だという認識を、早いうちに作っておくためです。病気やケガで入院・預け先が必要になったとき、ケージに慣れていない犬もいます。そんな子は、それだけで強いストレスを受けてしまいます。
ここで注意したいのが、サイズ選びです。ゴールデンレトリーバーは成長が早く、あっという間に大きくなります。子犬サイズでちょうどいいクレートは、数ヶ月で手狭になります。成犬時のサイズを見越して選んでおくと、買い替えの手間が省けます。
そのほか、ペットシーツ、フード、マナー袋、食器、リードやハーネス。環境によっては服やベッドも必要になります。ペットショップやホームセンターで実物を見て選ぶのも、迎える楽しみの一つです。
ワクチン接種も早い段階で必要になります。目安として3回の接種が必要で、1回あたり5,000円から1万円ほどです。金額は動物病院によって差があるので、事前に確認しておいてください。
迎える前に、家の中の危険物も点検しておきましょう。コード類、観葉植物、小さな部品。子犬は何でも口に入れます。届く範囲のものは、一度すべて見直してください。
食事は、それまで食べていたフードを、そのまま続けることが基本です。急に切り替えると、下痢や嘔吐の原因になります。フードを変えたい場合も、迎えてから1ヶ月ほどは様子を見て、少しずつ切り替えていってください。
迎えてから1週間の過ごし方
引き渡し後、1週間ほどは体調を崩す子が少なくありません。
理由は環境の変化です。ブリーダーのもとからペットショップ、そして飼い主さんの家へ。何度も環境が変わることで、子犬は大きなストレスを受けます。
ブリーダーから直接、飼い主さんの家に迎える場合は、この負担が一度で済みます。私がブリーダー直販にこだわる理由の一つも、ここにあります。
お家に着いた途端に走り回る子もいれば、隅でじっと固まってしまう子もいます。どちらも、新しい環境に対する自然な反応です。焦らず、慣れるまで見守ってあげてください。
夜泣きや朝鳴きも、最初の数日はよくあることです。ここで根負けして構ってしまうと、鳴けば来てもらえると学習してしまいます。心を鬼にする場面も必要だと、私は思います。
サークルやケージに入れたときに鳴いても、出してはいけません。かわいそうに感じるかもしれませんが、ここで折れると、しつけ全体が難しくなります。
トイレのしつけは、迎え入れたその日から始まります。「慣れてから」ではありません。最初が肝心です。詳しいやり方は、後の章で説明します。
子育てと似ていると、私は思います。最初にルールを教えておけば、あとが楽になります。逆に最初を甘くすると、後からの修正はずっと大変になります。
気をつけたい病気・費用の目安
ゴールデンレトリーバーは、股関節形成不全や皮膚炎、がんになりやすい傾向があるといわれています。定期的な健康診断を習慣にしてください。
体が大きいぶん、薬の量も医療費も、小型犬より高くなりがちです。手術が必要になった場合、数十万円単位の出費になることも珍しくありません。
股関節形成不全は、大型犬に多い遺伝性の疾患の一つです。子犬のうちに激しい運動をさせすぎると、発症リスクが上がるともいわれています。成長期は特に、無理な運動を避けてあげてください。
フローリングでの散歩や高いところからの飛び降りも、関節への負担になります。滑り止めマットを敷く、抱っこで上げ下ろしするなど、小さな工夫の積み重ねが将来の負担を減らします。
皮膚炎は、垂れ耳と皮膚のたるみが関係しています。通気性が悪く、汚れや湿気がたまりやすいのです。耳の中やしわの間を、定期的にチェックする習慣をつけてください。シャンプー後にしっかり乾かすことも、忘れないでください。
費用面では、フード代・医療費・トリミング代などで、月々1万円から2万円程度を見込んでおくと安心です。ペット保険への加入も検討してみてください。加入するなら、若いうちに入っておくほうが、選べるプランの幅は広くなります。
大型犬は小型犬に比べて、生涯でかかる費用も大きくなります。かわいさだけで決めるものではありません。続けられる金額かどうかも、迎える前に考えてほしいのです。家計と相談してから決めても、遅くはありません。
飼育のポイント(運動量・しつけ)

ゴールデンレトリーバーは、もともと水辺で獲物を回収する猟犬でした。運動能力は高めです。散歩は朝晩1時間ずつが目安になります。
運動不足になると、太りやすい犬種でもあります。ボール遊びやドッグランでの自由運動も、積極的に取り入れてください。体を動かす機会が減ると、ストレスからいたずらが増えることもあります。
水を使った遊びも得意です。もともと水辺で獲物を回収する仕事をしていた犬種なので、水を怖がらない子がほとんどです。夏場は水遊びを取り入れると、運動不足の解消にもなります。プールやお風呂を怖がらない子が多いのも、この血統ゆえだと感じます。
しつけについては、私たちには独自の考え方があります。「褒めて伸ばす」が一般的によく聞く方法だと思います。ですが、ペットのブリーダーワンブーでは、少し違う方針をとっています。
親犬が子犬をしつける様子を見ていると、犬同士は号令を使いません。褒めることもしません。基本は、いけないことをしたときに叱るだけです。叱られなければ、してもいいことになります。
犬は上下関係で成り立つ動物です。上の立場から叱られても、その相手を嫌いにはなりません。むしろ、もっと慕うようになります。ここは、人間の感覚とはまったく違うところです。
ですから私たちは、人間のルールではなく犬のルールを人間側が学び、犬のルールで子犬をしつけています。基本は「叱るしつけ」です。
ただし、日本の住宅環境で人と暮らすには、それだけでは足りません。私たちが号令と褒めをセットで教えるのは、トイレ・呼び戻し・ハウスの3つだけです。
トイレは、ケージの中に設置してください。部屋に別のトイレを置くと、「ケージの外でも用を足していい」と覚えてしまいます。逆に、ケージの中では我慢するようになる子が多いのです。ケージの中で成功したら、そこはしっかり褒めてあげてください。
呼び戻しは、名前を呼ばれたら戻ってくることです。散歩中にリードが外れて、目の前を車が通る。そんな場面で呼び戻しが完璧なら、最悪の事態を避けられます。究極の危険回避だと思って、根気強く教えてください。
ハウスは、「ハウス」の合図でケージに入り、扉が開いていても落ち着いて待つことです。来客時など、犬を落ち着かせたい場面で役立ちます。
この3つ以外は、叱るしつけで一貫させてください。中途半端に人間のルールを混ぜると、犬は何が正解か分からなくなってしまいます。
噛み癖も、叱るしつけで対応します。子犬の時期は、歯の生え変わりであまがみをよくします。手や指を噛まれたら、その場でしっかり伝えてください。「痛い」と短く言って、遊びを中断する。これだけで、多くの子は学習していきます。
歯が生え変わる時期は、噛んでもいいおもちゃを用意してあげるのも効果的です。硬すぎるおもちゃは歯を痛めるので、選び方にも気を配ってください。
大型犬の噛み癖は、成犬になってからでは直しにくくなります。力もありますから、放置するほど危険度は増していきます。子犬のうちに、必ず向き合っておいてください。
浜松でゴールデンレトリーバーを迎えるなら

私たちペットのブリーダーワンブーは、2008年に浜松で創業しました。フレンチブルドッグとあわせて、ゴールデンレトリーバーの繁殖・育成にも携わってきました。
大型犬は、小型犬とはまた違う覚悟が求められます。だからこそ、迎える前の相談を大切にしています。飼育環境やご家族の状況を伺います。そのうえで、本当に無理なく迎えられるかどうかを、一緒に考えさせてください。
繁殖・育成だけでなく、ペットホテルやしつけ教室も自社で運営しています。大型犬のしつけに不安がある方も、引き渡し後まで長くお付き合いできる体制です。
「うちのマンションで飼えるでしょうか」「共働きでも大丈夫でしょうか」。こうした素朴な疑問こそ、迎える前に聞いておいてほしいのです。
誹謗中傷めいた質問でなければ、どんな内容でもお答えします。むしろ、迎える前に不安をすべて解消しておくことが、結果的に犬にとっても幸せだと考えています。中途半端な覚悟で迎えるより、よほど誠実な姿勢だと思います。
見学のご予約や飼育に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。電話でもメールでも構いません。
まとめ
ゴールデンレトリーバーは、穏やかで学習能力の高い、家族に向いた大型犬です。ですが、体の大きさに見合った責任があることも忘れないでください。
子犬選びでは親犬の体格や性格を、迎えた後は環境変化によるストレスを、それぞれ意識してあげてください。しつけは、褒めるより叱る場面のほうが多くなります。人間のルールを教えるのは、トイレ・呼び戻し・ハウスの3つだけで十分です。
大型犬との暮らしは、手間もかかれば、費用もかかります。それでも、それを上回る時間を与えてくれる犬種だと、私は思っています。18年、ブリーダーを続けてきた実感です。
気になることがあれば、まずは問い合わせてみてください。
よくある質問
ゴールデンレトリーバーの子犬を迎える際に、よく寄せられる質問をまとめました。
Q1. ゴールデンレトリーバーの子犬の値段相場はいくらですか? A. ブリーダーやペットショップにより幅がありますが、20万円台から40万円台が目安です。血統やタイプによってはさらに高くなることもあります。
Q2. イギリスタイプとアメリカタイプ、どちらを選べばいいですか? A. 性格に大きな差はありません。見た目の好み(クリーム色でずんぐり型か、濃い茶色でスタイリッシュな体型か)で選んでください。
Q3. 抜け毛はどれくらい大変ですか? A. ダブルコートのため抜け毛は多めです。特に春と秋の換毛期は、毎日のブラッシングが必要になります。
Q4. マンションでも飼えますか? A. 体の大きさに見合った運動を確保できれば可能です。ただし朝晩1時間ずつの散歩は必須と考えてください。
Q5. 初めて犬を飼う人にも向いていますか? A. 学習能力が高く、しつけがしやすいため初心者向きといわれています。ただし大型犬ゆえの費用と体力は必要です。
Q6. 兄弟犬の中でどの子を選べばいいですか? A. 一番元気な子が正解とは限りません。ご家族の生活スタイルに合う性格の子を、親犬の様子もふまえて選んでください。
Q7. しつけは褒めるのと叱るの、どちらが大切ですか? A. 私たちは基本的に叱るしつけを行っています。犬同士のルールがそうだからです。褒める号令を使うのは、トイレ・呼び戻し・ハウスの3つだけに絞っています。
参考リンク – 環境省 動物の愛護と管理 – 公益社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)
内部リンク – フレンチブルドッグ ブリーダーの選び方8選(ブリーダー選びの詳細な8つのチェックポイントはこちらで解説しています) – 子犬のしつけ方【浜松のブリーダー流】(トイレ・呼び戻し・ハウスのしつけ方法をさらに詳しく解説しています)



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