子犬のしつけ方【浜松のブリーダー流】

トレーナーとゴールデンレトリーバーの子犬のしつけの様子

静岡県浜松市で犬のブリーダーをしている、ペットのブリーダーワンブーの山下です。繁殖・育成だけでなく、しつけ教室も自社で運営しています。

子犬のしつけは、迎えたその日から始まります。ネットで調べると「褒めて伸ばす」という情報がほとんどです。ですが、私たちの教室では少し違う考え方をお伝えしています。この記事では、その理由と具体的な方法を、包み隠さず書きました。

目次

子犬のしつけはいつから始める?

生後4週から13週ごろは、社会化期と呼ばれます。もっとも学習に適した、大切な時期です。

とはいえ、しつけを始めるのに「早すぎる」ということはありません。お家に迎えたその日から、犬は人間との関係性を確認し始めています。しつけの時間だけが、しつけではないのです。

「まだ子犬だから」と後回しにする方もいますが、それは少しもったいないと思います。子犬のうちに教えられることは、驚くほど多いのです。この時期を逃す手はありません。

「褒めるしつけ」が主流と言われますが

犬のしつけについて調べると、「叱るのはNG」という情報がほとんどです。「恐怖心を与え、信頼関係を損なう」ともよく言われます。良い行動をしたら褒める。これがポジティブトレーニングとして広く知られています。

もちろん、間違いだとは言いません。犬との楽しい時間は、それだけで価値があります。ですが、それだけでは足りないと、私は考えています。

犬同士のしつけを見ていると、親犬は号令を使いません。褒めることもしません。いけないことをしたときに、叱るだけです。叱られなければ、してもいいことになります。これが、犬にとって自然なルールです。

犬のルールで学ぶ「叱るしつけ」とは

母犬が子犬をしつける自然な様子

犬は上下関係で成り立つ動物です。上の立場から叱られても、その相手を嫌いにはなりません。むしろ、もっと慕うようになります。ここが、人間の感覚とはまったく違うところです。

私たちが大切にしているのは、犬のテンション(興奮度)をコントロールするという考え方です。褒めるしつけでは、褒めることで犬のテンションが上がってしまいます。興奮したまま「座れ」と言えば座りますが、すぐに立ち上がって他のことを始めてしまう。これでは意味がありません。

関係性がしっかり築けていれば、人間が前に立つだけで、犬はおとなしく座ります。テンションが低ければ、犬は自分で考えて行動できるようになるからです。

テンションが上がっても、人間が一瞬で落とせれば問題ありません。最初は関係性があいまいなので、人間が落とせる範囲までしかテンションを上げてはいけません。力量が上がれば、もっと上げてあげられるようになります。これは、犬と遊びながらできるしつけでもあります。

大切なのは、しつけの時間だけで関係性が築けるわけではないということです。犬と関わる時間すべてで、犬は人間との関係性を確認しています。よくないことをしたら、即座に注意してください。これを怠ると、犬は少しずつ調子に乗り、自分が上位に立とうとします。ここに気づかない飼い主さんが、非常に多いのです。

人間のルールとして教える3つだけ

クレートの中でくつろぐフレンチブルドッグの子犬

叱るしつけが基本です。ですが、日本の住宅環境で人と暮らすには、それだけでは足りません。私たちが号令と褒めをセットで教えるのは、トイレ・呼び戻し・ハウスの3つだけです。

トイレ

トイレは、ケージの中に設置してください。部屋に別のトイレを置くと、「ケージの外でも用を足していい」と覚えてしまいます。逆に、ケージの中では我慢するようになる子が多いのです。

ドッグフードもケージの中で与えてください。ケージ=良い場所だという認識を作るためです。病気や入院でケージに入らざるを得なくなる日が、いつか来るかもしれません。この認識があるかどうかで、犬のストレスは大きく変わります。ケージの中で成功したら、そこはしっかり褒めてあげてください。

呼び戻し

名前を呼ばれたら戻ってくる。これができないと、散歩中にリードが外れたときなど、命に関わる場面で犬を守れません。究極の危険回避だと思って、根気強く教えてください。

犬が人間に勝手に触れることも、許してはいけません。これを許すと、犬の都合で人間に触れられるようになります。犬の都合が悪いときは、名前を呼んでも戻ってこなくなるのです。名前を呼ばれたときだけ触れられる。これを「楽しいこと」として認識させてください。

人間の近くにいてよいが、勝手には触れない。これが理解できている犬は、人間を敬うことができます。子どもやお年寄りがいても、飛びつくことがなくなります。散歩中に他の方へ迷惑をかける行為も、自然と防げるようになります。

名前はスペシャルな言葉にしてください。呼び戻しの時以外は絶対に呼ばなようにしましょう。

ハウス

「ハウス」の合図でケージに入り、扉が開いていても落ち着いて待つこと。これができると、急な来客時や来客後などに役立ちます。

この3つ以外は、叱るしつけで一貫させてください。中途半端に人間のルールを混ぜてしまうと、犬は何が正解か分からなくなってしまいます。

家の中のものへのいたずらも、同じ考え方で対応します。物を片付けて対処する方が多いのですが、それでは人間側が不便になるだけです。物があってもいたずらしないように、犬をしつければよいのです。入ってはいけない場所も、同じように教えてください。

甘噛みは子犬のうちにやめさせる

甘噛みのしつけをする様子

「歯がかゆいから噛む」「大人になったらしなくなる」。世間ではよく言われますが、そんなことはありません。甘噛みしてくれているうちに、やめさせる必要があります。

これを放置すると、大人になってから歯を当ててしまう恐れがあります。興奮したときや、嫌なことをされたときが特に危険です。犬はいついかなるときも、人を噛んではいけません。歯を当ててもいけませんし、噛もうという意識を持たせてもいけないのです。

噛むことと吠えることは、犬にとって本能的な行動です。頭も力もまだ弱い子犬のうちにしか、基本的に直すことができません。手や指を噛まれたら、その場でしっかり伝えてください。「痛い」と短く言って、遊びを中断する。これだけで、多くの子は学習していきます。

「マズルコントロール」という方法を使うトレーナーもいます。本来、母犬が子犬に、やってはいけないことを教えるための方法です。合う犬と合わない犬がいるので、その子の性格を見ながら判断してください。いずれにしても、根っこにある考え方は同じです。犬のルールで、犬に教えるということです。

お手入れと散歩、それぞれの考え方

リードをつけて落ち着いて散歩するゴールデンレトリーバー

爪切り・耳掃除・ブラッシング・シャンプー。本来、犬にとっては嫌なことのはずです。それを飼い主さんがやり遂げられれば、犬はその人に従うようになります。

ただし、無理やり押さえつけてはいけません。無理やりされている間、犬はずっと嫌な思いをしています。やればやるほど、嫌いになっていくだけです。

まず犬を落ち着かせてください。落ち着いたらお手入れをする。途中で暴れたら注意し、またおとなしくなったら再開する。この繰り返しで、おとなしくしていられる時間はどんどん長くなります。最終的には、最初から最後までおとなしくできるようになります。

これができていると、大人になってケガや病気をしたときも役立ちます。飼い主さんが「おとなしくしていろ」と言えば、犬はおとなしくできます。獣医さんでの診察もスムーズに済み、結果的に犬を守ることにつながるのです。

犬の思考回路を「我慢→諦念→従順」の順に変えていくイメージです。最初は嫌がって当然です。ですが、繰り返すうちに、抵抗すること自体に意味がないと犬自身が理解していきます。これは私たちが子犬の引き渡し時に、実際にご説明し、一緒に実践していただいている内容でもあります。

散歩についても、私たちは少し違う考え方をしています。一般的な散歩は、犬にとって自由時間やトイレの時間になっていることが多いと思います。ですが、それはむしろ犬のストレスになります。

本来、犬は飼い主さんから仕事をもらい、その対価として住まいや食べ物を得て関係性を築く動物です。ペットとして飼う現代の犬には、その仕事がありません。仕事がないと、犬はストレスを溜めてしまいます。

そこで私たちは、散歩を仕事として与えます。仕事中は自由がありません。トイレもしません、匂いも嗅ぎません。飼い主さんの後ろを黙ってついていく。お供をするのが仕事です。一点に集中することで、犬は頭をフル回転させます。

こうした散歩は、関係性を築きながらストレスも発散できます。ただし運動そのものにはなりません。ドッグランでの自由運動など、体を動かす時間は別に用意してあげてください。運動が足りていない飼い主さんは、実はとても多いと感じています。

犬の皮膚トラブルの原因のうち、菌やカビなど外的要因は1〜2割ほどです。それ以外の多くは、ストレスが関係しています。

身体的ストレスの解消には、とにかく運動が必要です。ドッグランでの全力疾走、山でのハイキング、夏場は川での水遊びなど。犬は疲れれば、家ではおとなしくなります。散歩だけでは足りない部分を、ここで補ってあげてください。

精神的ストレスの解消には、しつけそのものが役立ちます。犬側の要求が通らなかったときに、ストレスは生まれます。要求そのものをゼロに近づけておくことが、結果的に犬を落ち着かせます。運動としつけ、両方が揃って初めて、犬は落ち着いた毎日を過ごせるようになります。

浜松でしつけにお困りなら

私たちペットのブリーダーワンブーは、2008年に浜松で創業しました。繁殖・育成とあわせて、しつけ教室も運営してきました。

しつけは、犬を家に迎えたその日から始まります。毎日の関わりの中で、少しずつ関係性は育っていきます。

生後半年ごろに、あまり良くない時期がやってきます。反抗期のようなものだと考えてください。そして生後1年前後で、犬の頭の中は大人になります。そのタイミングでもう一度見直せば、あとは愛情をたっぷり注いであげられます。最初の1年間が勝負です。

「うちの子はもう手遅れでしょうか」というご相談も、よくいただきます。多くの場合、そんなことはありません。犬の年齢に関係なく、変えられる部分は必ずあります。まずは今の状況を、詳しく聞かせてください。

見学のご予約や、しつけに関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。電話でもメールでも構いません。子犬から成犬まで、幅広く対応しています。

まとめ

子犬のしつけは、犬のルールを人間が学ぶことから始まります。褒めるしつけが主流とされていますが、私たちは基本的に叱るしつけをお伝えしています。犬のテンションを低く保つことが、結果的に犬を自分で考えられる子に育てます。

人間のルールとして号令と褒めをセットで教えるのは、トイレ・呼び戻し・ハウスの3つだけです。甘噛みは子犬のうちに、お手入れは無理やりでなく少しずつ。散歩は仕事として与えてください。

一つひとつは地味な積み重ねです。それでも、続けた分だけ関係性は確実に育っていきます。最初の1年間、根気強く向き合ってあげてください。

よくある質問

Q1. しつけはいつから始めればいいですか?

A. お家に迎えたその日からです。社会化期(生後4〜13週)は特に学習に適していますが、早すぎるということはありません。

Q2. 叱るしつけは犬に嫌われませんか?

A. 嫌われません。犬は上下関係で成り立つ動物なので、上の立場から叱られても、むしろ慕うようになります。

Q3. トイレはケージの中と外、どちらに置くべきですか?

A. ケージの中に設置してください。部屋に別のトイレを置くと、ケージ内で我慢するようになる子が多いためです。

Q4. 甘噛みはいつまでに直せばいいですか?

A. 頭も力もまだ弱い子犬のうちが勝負です。歯が生え変わる前後までに、必ず向き合ってください。

Q5. 散歩はどれくらいの時間が必要ですか?

A. 犬種や年齢によって異なりますが、散歩とは別に、ドッグランなどでの自由運動の時間も用意してあげてください。

Q6. しつけ教室には何歳から通えますか?

A. ワクチンプログラムが完了していれば、子犬のうちから通っていただけます。まずはお問い合わせください。


参考リンク – 環境省 動物の愛護と管理 – 公益社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)

内部リンク – フレンチブルドッグ ブリーダーの選び方8選 – ゴールデンレトリーバー 子犬の選び方と注意点(迎えてから1週間の過ごし方も解説しています)

トレーナーとゴールデンレトリーバーの子犬のしつけの様子

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