静岡県浜松市で犬のブリーダーをしている、ペットのブリーダーワンブーの山下です。当犬舎では、2008年の創業からフレンチブルドッグの繁殖に携わっています。
創業した年に、当犬舎のフレンチブルドッグを突然亡くしました。今でも、あの日のことははっきり覚えています。
この記事では、その経験をもとに、フレンチブルドッグの突然死の原因と予防についてお伝えします。同じ思いをする飼い主さんが、一人でも減ってほしいと思っています。
当犬舎で起きたこと
その子は3歳くらいで、当犬舎に来てまだ日が浅い子でした。
その日も、ほかの犬たちと元気に遊んでいました。ところが急に息が荒くなり、その場に横たわってしまいました。よだれを垂らして、ぐったりしています。
水を飲ませようと抱き上げた、そのときです。腕の中で、そのまま息を引き取りました。本当に一瞬の出来事でした。
もともと気管支が弱い子で、普段から息が荒かったのです。ですが、私は「フレンチブルドッグにはこういう子もいる」と思っていました。大事に至るとは考えていなかったのです。
今振り返れば、あの息の荒さはサインでした。「この犬種だから仕方ない」で済ませてはいけない。これが、私があの子から教わったことです。
フレンチブルドッグに突然死が起きやすい理由

フレンチブルドッグは、鼻が短く顔が平らな短頭種です。この顔の形が、呼吸のしにくさにつながっています。
短頭種には、短頭種気道症候群と呼ばれる体の特徴が出やすいです。鼻の穴が狭い、喉の奥の軟口蓋が長いといった構造上の問題で、空気の通り道が狭くなります。
普段はいびき程度で済んでいても、暑さや興奮で呼吸が速くなると話が変わります。狭い気道では空気が足りず、一気に呼吸困難に陥ることがあるのです。
犬は、呼吸で体温を下げる動物です。呼吸がうまくできない短頭種は、体の熱を逃がすことも苦手になります。
突然死につながりやすい場面

突然死は、何の前触れもなく起きるように見えます。ですが、起きやすい場面には共通点があります。
暑さ・熱中症
一番多いのが、暑さです。気温や湿度が高い日は、室内でも油断できません。
夏場の散歩は、早朝か日が落ちてからにしてください。エアコンは、留守中もつけたままにします。車内に残していくのは、短時間でも絶対にやめてください。
興奮・激しい遊び
当犬舎の子も、遊んでいる最中に倒れました。興奮すると呼吸が速くなり、狭い気道では追いつかなくなります。
犬同士の遊びや、来客で舞い上がったときも同じです。息が荒くなってきたら、一度遊びを止めて落ち着かせてください。
食べ物を喉に詰まらせる
早食いの子は、フードを喉に詰まらせることがあります。おもちゃやガムを丸飲みしてしまうこともあります。
早食い防止の食器を使うなど、食べ方にも気を配ってください。
麻酔
短頭種は、麻酔のリスクも高いといわれています。麻酔中や、麻酔から覚めるときに気道がふさがりやすいためです。
避妊・去勢手術などを受けるときは、短頭種の扱いに慣れた動物病院を選んでください。事前にリスクの説明を受けておくと安心です。
見逃してはいけないサイン
次のような様子があれば、早めに動物病院で相談してください。
いびきが大きい、寝ているときに呼吸が止まるように見える。短い散歩でもすぐに息が上がる。遊んだあと、呼吸がなかなか落ち着かない。こうした状態が普段から続いている子は要注意です。
舌や歯ぐきが紫色になる、ふらついて倒れる。これは命に関わる緊急のサインです。すぐに涼しい場所へ移し、動物病院に連絡してください。
「フレンチブルドッグはいびきをかくもの」と思われがちです。ですが、それが当たり前だと思わないでください。
飼い主にできる予防

突然死をゼロにすることはできません。ですが、リスクを下げることはできます。
温度管理を徹底する
夏場の室温は、エアコンで管理してください。浜松のように夏の暑さが厳しい地域では、5月頃から油断できません。
詳しい熱中症対策は、こちらの記事でまとめています。

興奮させすぎないしつけ
当犬舎では、しつけとは犬のテンションをコントロールすることだと考えています。
フレンチブルドッグは、興奮しやすく遊び好きな犬種です。テンションが上がりきる前に、飼い主が落ち着かせられる関係を作ってください。それが、呼吸の負担を減らすことにもつながります。
太らせない
体重が増えると、首まわりにも脂肪がつき、気道がさらに狭くなります。おやつの与えすぎに注意して、適正体重を保ってください。
呼吸の状態を獣医に相談しておく
短頭種気道症候群は、症状によっては手術で改善できる場合があります。鼻の穴を広げる手術や、長い軟口蓋を切る手術です。
普段から呼吸が苦しそうな子は、一度かかりつけの獣医に相談してみてください。
まとめ
フレンチブルドッグの突然死は、短頭種ならではの呼吸のしにくさが大きく関わっています。暑さ、興奮、喉詰まり、麻酔。こうした場面で、一気に呼吸困難に陥ることがあります。
普段の息の荒さやいびきを「この犬種だから」で済ませないでください。私があの日に見過ごしたサインを、皆さんには見逃してほしくないのです。
よくある質問
内部リンク – フレンチブルドッグの熱中症対策!必読の予防法と応急処置 – フレンチブルドッグの魅力と病気対策徹底ガイド – フレンチブルドッグの寿命|健康寿命を延ばす方法

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