ゴールデンレトリーバーの子犬の育て方|迎えた日から1歳まで

ケージの中で静かに休む濃い金色のゴールデンレトリーバーの子犬

静岡県浜松市で犬のブリーダーをしている、ペットのブリーダーワンブーの山下です。当犬舎では、ゴールデンレトリーバーの繁殖も続けています。

子犬をお渡しするとき、必ずお伝えしていることがあります。ゴールデンレトリーバーの子犬は、迎えてから1〜2週間は「何もしない」でください。声をかけない、触らない、見に行かない。これが最初のしつけです。

人懐っこい犬種なので、構いたくなるのは当然です。ですが、最初の過ごし方で、その後の1年が変わります。この記事では、迎える準備から1歳までの育て方を、当犬舎のやり方でお伝えします。

目次

ゴールデンレトリーバーの子犬を迎える前に決めておくこと

物をそろえる前に、決めておいてほしいことがあります。ゴールデンレトリーバーは大型犬です。お家の中の使い方から考えてください。

ケージは成犬のサイズで選ぶ

ケージは、子犬のためだけの物ではありません。成犬になっても、留守番と就寝のときに使い続けます。

ゴールデンレトリーバーは、成長が早い犬種です。子犬の体に合わせて買うと、数か月で狭くなります。最初から成犬で使える大きさを選んでください。

トイレはケージとつなげて置く

ゴールデンレトリーバーの場合、ケージの中にトイレトレーが入りません。当犬舎では、トイレトレーに囲いをつけて、ケージと連結しています。

ケージとトイレセット

部屋には、別のトイレを置きません。ケージの外でしてよいと覚えると、つないだトイレでしなくなる子が多いからです。理由は、あとの章で詳しく書きます。

フードはブリーダーと同じものを続ける

ワンブーでは、すべての犬にアカナのドッグフードを与えています。子犬にはパピーレシピです。お家でも、同じフードを用意しておいてください。

環境が変わったうえに食事まで変わると、子犬の体には重い負担になります。切り替えたい場合も、落ち着いてから1か月ほどかけて混ぜていきます。

アカナには、全犬種の子犬向けの「パピーレシピ」のほかに、大型・超大型犬の子犬向けの「パピーラージブリードレシピ」もあります。当犬舎では、大型犬の子犬にもパピーレシピを使っています。

粒が小さめなので、食べにくそうにしているときは、パピーラージブリードレシピを考えてみてください。大型犬を迎える方で迷うときは、パピーラージブリードレシピを選ぶことをおすすめします。

アカナを選んでいる理由は、こちらの記事に書きました。

滑る床と段差の対策を先にする

床は、子犬が来る前に見てください。フローリングで滑って走り回ると、成長期の足腰に負担がかかります。

よく走る場所にマットを敷くだけでも変わります。階段とソファの昇り降りも、子犬のうちは使わせないでください。抱えて上げ下ろしする方が安全です。

迎えてから1〜2週間は「何もしない」

ここが、この記事で一番お伝えしたいところです。子犬を迎えたら、まずはケージに入れて完全に安静にしてもらいます。

安静にする期間はワクチンの回数で決める

ワンブーでは、最短で生後60日からお引き渡ししています。お渡しの時点で受けているワクチンの回数で、安静にする期間が変わります。

お引き渡し時のワクチン安静にする期間
1回接種済み2週間
2回接種済み1週間

この期間は、ケージの中で過ごしてもらいます。部屋に出して遊ばせることはしません。

声をかけない・触らない・見に行かない

安静の期間にしてほしいことは、3つだけです。声をかけない、触らない、見に行かない。

食事とトイレの片付けは必要ですが、そのときも淡々と済ませてください。子犬は、親や兄弟と離れて、知らない場所に来たばかりです。元気そうに見えても、緊張と疲れでいっぱいになっています。

鳴いても見に行かないのが最初のしつけ

夜鳴きや朝鳴きは、最初の数日によくあります。ここで根負けすると、「鳴けば人が来る」と覚えます。

逆に、鳴いても誰も来なければ、子犬は自分で落ち着く方法を見つけます。人間の子どもでも、泣くたびに抱き上げていたら、一人で眠れるようにはなりませんよね。

最初の1〜2週間を我慢できるかどうか。これは子犬ではなく、飼い主さんの我慢です。かわいそうに見えても、将来のためだと考えてください。

子犬の食事はアカナのパピーレシピを1日3回

食事は、量より回数と場所で差が出ます。当犬舎のやり方をそのまま書きます。

ドライのまま1日3回

お渡しの時点で、子犬はアカナのパピーレシピをドライのまま食べています。ふやかす必要はありません。回数は1日3回です。

生後6か月を過ぎたら、1日2回にしても大丈夫です。ただ、急いで減らす必要はありません。回数が多いのは悪いことではありませんが、少ないのは悪いことです。迷ったら、3回のまま続けてください。

量は、たっぷり食べさせてください。1歳前後なら、成犬の倍ぐらいの量を食べても問題ありません。当犬舎の犬たちも、そのぐらい食べています。

食事はケージの中で与える

フードは、ケージの中で与えます。ケージで食事をすると、子犬は「ケージ=良い場所」と覚えます。

これは、しつけのためだけではありません。病気やケガで入院すると、犬はケージで過ごします。普段からケージを良い場所だと思っていれば、そのときのストレスが減ります。

水はいつでも飲める状態にする

水は、切らさないでください。ゴールデンレトリーバーはよく動き、よく水を飲みます。

当犬舎では、ケージに付ける給水ボトルを使っています。器を床に置くと、子犬は足を突っ込み、ひっくり返します。器での水やりは緊急用と考えています。

1歳ごろにアダルトへ切り替える

パピーレシピは、1歳ごろまでが目安です。その後は、アダルトドッグレシピに切り替えます。

ただし、年齢だけで決めてはいません。痩せている子は、1歳を過ぎても続けます。

おやつや肉・野菜は足さない

当犬舎では、犬におやつを与えていません。しつけのごほうびにも使いません。栄養バランスが整えられたドッグフードだけで大丈夫です。おやつを使ったしつけは最終手段として取っておきます。

バランスの取れたフードに他の物を足すと、そのバランスが崩れます。ゴールデンレトリーバーは食欲の強い犬種ですが、フード以外の物は足さないでください。

ケージの中でドライフードを食べる明るめの金色のゴールデンレトリーバーの子犬

トイレとハウスの教え方

安静の期間が終わったら、本格的にしつけを始めます。最初はトイレとハウスです。

部屋にトイレを置かない理由

ケージにつないだトイレがあり、部屋にもトイレがある。この状態だと、子犬は「ケージの外でトイレをする」と覚えます。そして、つないだトイレではしなくなります。

部屋には、トイレを置かないでください。留守番と就寝のときはケージに入れ、つないだトイレでさせます。成功したら、そこはしっかり褒めてあげてください。

ワンブーからお渡しする子犬は、すべてケージとトイレの練習をしています。ただ、トイレがどこまでできるようになるかは、個体差があります。

号令と褒めはトイレ・呼び戻し・ハウスの3つだけ

ワンブーのしつけは、基本が「叱るしつけ」です。親犬が子犬をしつける様子を見ると、犬同士は号令を使わず、褒めることもしません。

そのうえで、人と暮らすために号令と褒めをセットで教えるのは、トイレ・呼び戻し・ハウスの3つだけです。この3つ以外は、叱るしつけで一貫させてください。

しつけの考え方は、こちらの記事で詳しく書いています。

ワクチンとお散歩デビューの時期

お散歩デビューは、焦らなくて大丈夫です。お家の中で、先にやることがたくさんあります。

散歩は3回目のワクチンの1週間後から

ワンブーでは、3回目のワクチン接種から1週間経ってからを、お散歩デビューの目安にしてもらっています。ワクチンの時期は、かかりつけの獣医師と相談して決めてください。

「それまでに抱っこで外に慣らした方がいいですか」と聞かれます。その必要はありません。お家の中に、することがたくさんあります。

デビュー前はお家のしつけに使う

外に出られない時期は、お家のしつけに使ってください。トイレ、ハウス、名前を呼んだら戻ってくること。

お手入れに慣れることと、甘噛みをやめさせることもこの時期です。外の刺激がない方が、子犬は人間に集中できます。

散歩は「仕事」として教える

ゴールデンレトリーバーの散歩は、自由時間にしないでください。好奇心の強い犬種なので、自由にさせると拾い食いの機会が増えます。

私たちは、散歩を仕事として与えています。仕事中は、匂いを嗅ぎません。トイレもしません。飼い主さんの後ろを黙ってついて歩く。これがお供の仕事です。

成長期の体に気をつけること

子犬のうちは、元気に見えても体ができあがっていません。大型犬は、ここで無理をさせないでください。

成犬の大きさを先に知っておく

どこまで大きくなるかを、先に知っておいてください。用品のサイズ選びも、これで決まります。

項目オスメス
成犬の体重約29.5〜34kg約25〜29.5kg
成犬の体高56〜61cm51〜56cm

※体高は JKC(ジャパンケネルクラブ)犬種標準(FCI スタンダード No.111)。体重は JKC に定めがありません。AKC(アメリカンケネルクラブ)犬種標準を kg に換算した目安です。

生後1年ほどで、この大きさに近づきます。力も強くなるので、しつけは体が小さいうちに進めておくほど楽です。

滑る床と段差を避ける

成長期の関節と骨には、無理をさせないでください。フローリングで滑って走る、高い所から飛び降りる。こうした動きが、足腰の負担になります。

歩き方がおかしい、足を気にしている。こうした様子があれば、自己判断せずに獣医師に診てもらってください。

太らせないのは大人になってからの話

子犬のうちは、よほど運動が足りない場合やフード以外の物を食べている場合を除けば、太りません。むしろ、痩せているぐらいです。

運動をたっぷりさせて、その分をたくさん食べさせてください。太らせないように気をつけるのは、大人になってからの話です。成犬は、体重の数字より、触ったときに肋骨が分かるかどうかで見てください。

子犬のうちから始めるお手入れ

ゴールデンレトリーバーのお手入れは、一生続きます。だからこそ、子犬のうちに慣れさせてください。

犬のお手入れは、きれいにすることだけが目的ではありません。我慢を覚える、しつけの一環です。

爪切り・ブラッシング・耳掃除は、子犬のお渡しのときにご説明し、実際にお客様にやって体験していただいています。

ブラッシングは2本のブラシで

ゴールデンレトリーバーはダブルコートで、下の毛が抜けます。春と秋の換毛期は、抜ける量が一段と増えます。

下の毛をかき出す道具は、メーカーの区分で大型犬の長毛種用になります。乾かすときには、スリッカーで毛を起こしながら根元まで乾かします。

耳の中を見る習慣をつける

ゴールデンレトリーバーは、耳の油が多い犬種です。耳の油が多い犬種は、耳のトラブルが多くなります。

洗った日は、特にしっかり乾かしてください。赤み、におい、かゆがる様子があるときは、自分で判断せず獣医師に相談してください。

爪切りは少しずつ

爪切りは、必要な物です。ワンブーではしつけの一環として、子犬のうちは特に飼い主さんに爪切りをしてもらっています。爪は、先を少しずつ落としてください。

嫌がる子を押さえつけないでください。まず落ち着かせて、落ち着いたら切ります。暴れたら注意し、おとなしくなったら再開する。この繰り返しで、我慢できる時間が長くなります。

お手入れができる犬は、病院での診察や注射もスムーズです。結果として、犬を守ることにつながります。

ブラッシングを落ち着いて受ける濃い金色のゴールデンレトリーバーの子犬

誤飲といたずらを防ぐ

ゴールデンレトリーバーの子犬で、私が一番心配しているのが誤飲です。ここだけは、油断しないでください。

何でも口に入れる犬種だと思ってください

ゴールデンレトリーバーは、誤飲事故が特に多い犬種です。食欲が強く、丸飲みしやすく、好奇心からおもちゃ以外の物まで口に入れます。

おもちゃの破片、靴下やタオル、ペットボトル、竹串、人間の薬。どれも、腸閉塞や内臓の損傷につながることがあります。

片付けだけでは足りません

物を片付ける対策も必要です。ですが、それだけでは人間が不便になるだけで終わります。

物があってもいたずらしないように、しつけで教えてください。呼び戻しの精度を上げることと、口に入る物を床に置かないことが基本です。

飲み込んだかもしれないときは、様子を見ないでください。自己判断で吐かせようとせず、すぐに動物病院へ連絡してください。

甘噛みと飛びつきは子犬のうちに直す

人懐っこさは、ゴールデンレトリーバーの良いところです。ですが、それを理由に許してしまうと、あとで困ります。

甘噛みは「歯がかゆいだけ」では済みません

「大人になったらしなくなる」とよく言われますが、そんなことはありません。甘噛みしてくれているうちに、やめさせてください。

犬は、どんなときも人を噛んではいけません。歯を当ててもいけません。成犬で30kg近くになる犬種なら、なおさらです。

犬から人に勝手に触れさせない

飛びついて挨拶する、体をこすりつける。かわいいので許しがちですが、これも許してはいけません。

犬の都合で人に触れられるようになると、犬の都合が悪いときは名前を呼んでも戻ってきません。名前を呼ばれたときだけ触れてもらえる。これを楽しいことだと覚えさせてください。

散歩中にリードが外れたとき、呼び戻しができるかどうかは命に関わります。

夏と冬の室温はエアコンで保つ

最後に、物よりも大事な話をします。子犬が過ごす部屋の温度です。

子犬は寒さに弱い

「大型犬は寒さに強い」と言われますが、それは成犬の話です。子犬は、寒さにとても弱いです。

室温は、人が暑くも寒くもなく過ごせる温度が目安です。子犬のうちは、20度を切らないぐらいでお願いしています。冬の浜松は、朝晩しっかり冷え込みます。

当犬舎の保温は、エアコンだけです。専用の保温器具は使っていません。

夏は温度より犬の様子を見る

夏も、エアコンが基本です。私は、温度の数字より犬の様子を見ています。

眠っているのに呼吸が早ければ、暑いということです。ぐったりしている、呼吸が荒いといったときは、すぐに動物病院へ連絡してください。

留守番の時間も、エアコンは切らないでください。

涼しい部屋のマットの上で眠る明るめの金色のゴールデンレトリーバーの子犬

生後半年と1歳で、しつけを見直す

しつけは、迎えたその日から始まっています。そして、途中で必ず山がきます。

生後半年ごろに、反抗期のような時期がやってきます。ここで折れないでください。

生後1年前後で、犬の頭の中は大人になります。そのタイミングで、もう一度しつけを見直してください。そこまでできれば、あとは愛情をたっぷり注いであげられます。最初の1年間が勝負です。

浜松でゴールデンレトリーバーの子犬を迎えるなら

私たちペットのブリーダーワンブーは、2008年3月に浜松で創業しました。ブリーダーのほかに、ペットホテルとしつけ教室も運営しています。

子犬をお渡しするときは、この記事に書いた過ごし方を、実際にご説明しています。お渡ししたあとも、分からないことがあればいつでもご相談ください。

子犬の選び方と、迎えたあとの暮らしはこちらに書いています。

長生きのための健康管理は、こちらが参考になります。

お手入れの道具は、まとめたページがあります。

まとめ

ゴールデンレトリーバーの子犬は、迎えてから1〜2週間は「何もしない」でください。ワクチン1回なら2週間、2回なら1週間、ケージで完全に安静にします。

食事はアカナのパピーレシピを、ドライで1日3回。生後6か月を過ぎたら2回でも大丈夫です。食事はケージの中で、トイレはケージとつないだトレーでさせ、部屋にはトイレを置きません。

床のマットと段差の対策は、迎える前に済ませてください。ブラッシングと耳のお手入れ、爪切りは、子犬のうちに慣れさせます。

そして、誤飲だけは油断しないでください。呼び戻しの練習と、口に入る物を床に置かないことが、一番確実な予防です。最初の1年間で、その子との関係はほぼ決まります。

よくある質問

ゴールデンレトリーバーの子犬は生後何日から迎えられますか?

ワンブーでは、最短で生後60日からお引き渡ししています。法律でも、生後56日を過ぎるまでは販売のための引き渡しができません。

迎えた日はたくさん構ってあげた方がいいですか?

構わないでください。ワクチン1回なら2週間、2回なら1週間は、ケージで安静にします。声をかけない、触らない、見に行かないが基本です。

子犬の食事は1日何回ですか?

お引き渡しの時点では、ドライフードで1日3回です。生後6か月を過ぎたら2回でも大丈夫ですが、回数が多い分には問題ありません。

お散歩はいつから始められますか?

3回目のワクチン接種から1週間後が目安です。それまでに抱っこで外に慣らす必要はなく、お家でのしつけを優先してください。

しつけ用のおやつは必要ですか?

当犬舎では、犬におやつを与えていません。号令と褒めをセットで教えるのは、トイレ・呼び戻し・ハウスの3つだけです。

成犬になるとどのくらいの大きさになりますか?

体重はオスが約29.5〜34kg、メスが約25〜29.5kgです(AKC犬種標準を kg 換算)。体高はオスが56〜61cm、メスが51〜56cmです(JKC犬種標準)。


参考リンク – 環境省 動物の愛護と管理 – ジャパンケネルクラブ ゴールデン・レトリーバー

ケージの中で静かに休む濃い金色のゴールデンレトリーバーの子犬

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